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世界中の暗殺者から命を狙われながらも、なぜか目が離せなくなる——『ジョン・ウィック:パラベラム』はそんな一本です。この記事はジョン・ウィック パラベラム レビュー ネタバレなしの感想から始め、後半でネタバレありの感想に切り替えます。2019年公開、監督は元スタントマンのチャド・スタエルスキー、ジャンルはノンストップのガンアクション、上映時間は約131分。シリーズ第3作にあたる本作を、まずはネタバレなしで紹介していきます。
作品概要

あらすじ
伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、暗殺者たちの聖域だったホテル内で禁を破ったことで、全世界の暗殺者から1400万ドルの懸賞金をかけられてしまう。頼れる仲間も庇護も失った彼は、迫りくる刺客の群れをかわしながら、たった一人で生き延びる道を探し続ける。
キャスト・スタッフ
主演はキアヌ・リーブス(ジョン・ウィック役)。共演にハル・ベリー、イアン・マクシェーン、ローレンス・フィッシュバーンら実力派が顔をそろえます。監督はシリーズ全作を手がけるチャド・スタエルスキーで、スタントマン出身らしい、俳優の身体そのものを見せるアクション設計に定評があります。
ネタバレなし感想

全体の雰囲気・テイスト
『ジョン・ウィック:パラベラム』は、前2作からさらにテンションを上げたノンストップ・アクション映画です。ニューヨークのネオンに沈む夜の街から、モロッコ・カサブランカの乾いた砂漠地帯まで舞台が大きく広がることで、息苦しいほどの緊張感に開放感が混じり、シリーズの中でも一番スケールの大きい一本に仕上がっています。ジョン・ウィックから続く「暗殺者たちの掟社会」という世界観の厚みが、ここへ来て一気に効いてくる印象です。
■ ここがポイント
『ジョン・ウィック』シリーズは、各作品ごとに「掟」という共通ルールを少しずつ掘り下げていく構成になっています。本作から観ても楽しめますが、前2作を知っていると「掟」の重みが何倍にも増して感じられます。
見どころ・おすすめポイント
見どころは、なんといっても全編にわたるガンフー(拳法とガンアクションを融合させた殺陣)の密度です。カメラを引き気味に構え、カットをできるだけ割らずに長回しで撮る撮影スタイル(ワンカットで俳優の全身の動きを見せる手法)が多用されており、キアヌ・リーブス本人がどこまで体を張っているかが画面から伝わってきます。序盤の武具店での近接格闘や、モロッコの砂漠を馬で駆け抜ける場面は、結末には触れませんが「ここまでやるのか」と声が出るほどの迫力です。前作チャプター2からアクションのアイデア量がさらに増しており、飽きさせない構成になっています。
こんな人におすすめ/おすすめしない人
おすすめなのは、理屈抜きのアクション映画が好きな人、前作までを観てシリーズの世界観にハマっている人です。逆に、暴力描写や銃撃戦がやや生々しいため、そうした表現が苦手な人にはおすすめしにくい作品でもあります。
公開から時間が経っているぶん、映画館ではなく配信でシリーズを一気見したい人も多いはずです。そんなときは人気の映画・ドラマ・アニメが見放題【Amazonプライム・ビデオ】を使えば、シリーズを通しで観返しながら本作の位置づけを確認しやすくなります。
評価
評価は5点満点中4点にしました。「面白い。友人にも自信を持ってすすめられるレベル」という基準にちょうど当てはまる一本で、アクション映画が好きな人になら迷わずすすめられます。ただし、後述するとおり演出面で少し気になる点もあり、満点には一歩届かない印象です。
ネタバレあり感想

⚠️ ここからネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
印象的だったシーン
物語終盤、ジョン・ウィックはモロッコで暗殺者組織の頂点にあたる「エルダー」のもとを訪ね、除名処分を解いてもらう代わりに指を切り落とす、という重い代償を払います。この場面で切り取られる指のクローズアップは、これまで積み上げてきた「掟」というテーマを痛みとともに観客に刻みつける演出です。そして物語の締めくくりでは、彼を守ってきたはずのコンチネンタル・ホテル支配人ウィンストンが、上層組織の目をあざむくためにジョンを屋上から撃ち落とすという衝撃の展開が待っています。命の行方をあいまいにしたまま、ウィンストンが上層組織へ宣戦布告する形で幕を閉じる締め方は、次作への引きとして見事に機能していました。
■ ここがポイント
ラストでウィンストンが放った銃弾の意味は、単なる裏切りとも「上層組織の目をごまかすための芝居」とも取れる、あえて曖昧にした演出です。どちらの解釈も成立するようにしてあるからこそ、次作への期待が膨らむ仕掛けになっています。
キャラクターについて
ジョン・ウィックというキャラクターの面白さは、圧倒的な戦闘能力を持ちながらも、常に「掟」という目に見えないルールに縛られ続けているところにあります。彼は暴力そのものよりも、暴力を成立させている秩序に翻弄される存在として描かれており、単なる無敵の殺し屋以上の陰影を持っています。対するウィンストンは、コンチネンタル・ホテルの支配人という立場と、ジョンへの個人的な情の間で揺れ続ける人物として、シリーズの中でも屈指の存在感を放っていました。
良かった点・気になった点
良かった点は、なんといってもアクションのアイデアの物量です。ナイフ投げ、乗馬、犬を使った連携技など、これまでのシリーズにない引き出しが次々と繰り出され、見ていて飽きる瞬間がありません。一方で気になったのは、指を切り落として忠誠を示す場面の演出がやや芝居がかっており、シリーズがここまで積み上げてきたハードボイルドな空気からすると、少し「粋がっている」ようにも映ってしまった点です。派手な象徴演出に頼りすぎず、もう少し抑えた見せ方でもよかったのではと感じました。
総評・一言まとめ
総評として、『ジョン・ウィック:パラベラム』はアクション映画としての純度をさらに高めながら、シリーズの世界観をぐっと広げた一本です。細かい演出の好みは分かれるかもしれませんが、暗殺者組織の掟や象徴の意味を知ったうえで見返すと新しい発見があるタイプの映画だと思います。
総合すると、一度観たら終わりではなく、何度も見返したくなる作り込みがあるというのが、この作品の一番の強みだと感じました。
続きが気になった人は、コンセクエンスのレビューもあわせてチェックしてみてください。
まとめ

この記事のまとめ
- ✓ 『ジョン・ウィック:パラベラム』はシリーズ屈指のスケールで魅せるノンストップアクション映画
- ✓ ガンフーの密度と長回し撮影で、キアヌ・リーブスの体を張った演技が存分に堪能できる
- ✓ ラストの展開は次回作への大きな引きになっており、シリーズを通しで観る楽しみが増す
- ✓ 評価は5点満点中4点。友人にも自信を持ってすすめられるレベルの一本
まだ観ていない人はもちろん、前2作を観てシリーズにハマっている人ほど刺さる一本です。次の休日には、ぜひ本編を通しで観てみてください。
※本記事は作品の批評・考察を目的とした個人の感想です。あらすじの詳細な再現や結末の解説は行っていません。引用は論評に必要な最小限にとどめています。作品名・登場人物名・画像等の権利はすべて各権利者に帰属します。