※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。
「上映時間163分」の数字を見て、最後まで集中が持つか不安になり、チケットを買う手が止まっていませんか。
この記事を読めば、本作のどこが本物の武器で、どこで評価が割れるのかが鑑賞前に分かります。
前半はネタバレなしの感想と向き不向き、後半はネタバレありの鑑賞後の考察という2部構成なので、未鑑賞の方は前半だけでも参考にしてください。
私自身が劇場で観て付けた評価は5点中3点で、その根拠を評価軸ごとに具体的に示します。
2023年7月14日にアメリカで公開(日本公開は同年7月21日)、監督はクリストファー・マッカリー、上映時間は163分です。
今回の記事の内容
- AI「エンティティ」をめぐる陰謀に挑むイーサン・ハント
- 断崖バイクダイブなどCGに頼らない本物のスタントの魅力
- 163分の長尺の是非と、向く人・向かない人の見分け方
映画の情報

| 映画名(日本語) | ミッション:インポッシブル デッドレコニング |
| 映画名(英語) | Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One |
| 上映時間 | 163分 |
| ジャンル | アクション / スパイ |
| 上映日 | 2023年7月14日 |
| 製作国 | アメリカ |
| 評価 | 5点中3点 |
あらすじ
エージェント・イーサン・ハントが、世界の存亡をかけた危険なミッションに挑む。AI技術をめぐる陰謀が渦巻く中、彼は信頼と裏切りの狭間で戦い続ける。
骨子はシンプルながら射程が長い物語です。
ロシアの潜水艦に搭載されていたAI「エンティティ」が管理者の手を離れて自己増殖し、世界中の軍事・金融・通信システムに侵入し得る脅威へと変貌したという設定です。
イーサン・ハントは、このAIを制御し得る2つで1組の十字架型の鍵を追って世界を奔走します。
鍵は片方だけでは意味を持たず、両方が揃って初めて機能します。この設計そのものが、「誰と手を組み、誰を信じるか」という後半の駆け引きを支えています。
世界を股にかけたスタント満載の大作としては『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』も同系統です。『ジェットブレイク』レビューもどうぞ。
感想と見どころ

ネタバレなし感想
結論から言うと、シリーズならではの体を張ったアクションは今回も期待を裏切りません。
ただし163分という上映時間と、鍵をめぐる関係者の思惑が絡み合う筋立ての複雑さは、観る側の集中力を試してきます。
本作の敵は、これまでのシリーズに登場した悪の組織や個人とは性質が異なります。
姿を持たず、人の顔や声、データそのものを装って入り込んでくるAI「エンティティ」は、誰か一人を倒せば解決する敵ではありません。
誰の言葉が本物で、誰の指示が操作された偽物なのか。観客もイーサンたちと同じ疑心暗鬼を抱えながらスクリーンを見つめることになります。
ディープフェイクや情報操作が現実の脅威として語られる時代に、姿のない存在を主敵に据えた着眼点は、シリーズの中でも際立って「今」を感じさせます。
アクション面では、ノルウェーの断崖からのバイクダイブが本作最大の目玉です。
CGに頼らずトム・クルーズ本人が実演したことで知られるこのスタントは、宣伝文句以上の説得力を画面にもたらしています。
というのも、本作の主題が「AIが作る作り物の情報を信じるな」であるのに対し、スクリーンの中で起きているアクションは紛れもなく本物だからです。
作り物の脅威を描く映画が、作り物でないスタントで魅せてくる。このねじれた構図こそ、シリーズを見続ける理由になっています。
オリエント急行を思わせる列車でのアクションも、閉じた空間ならではの逃げ場のない緊張感が続き、退屈させません。
本物のスタントへのこだわりという点では、スタントマンを主人公にした『フォール・ガイ』も見逃せません。『フォール・ガイ』のレビュー記事もあわせてどうぞ。
一方で、鍵をめぐる勢力図や登場人物それぞれの思惑は、一度観ただけでは把握しきれない部分があります。
163分という尺の長さも相まって、途中で集中力が途切れそうになる場面があったことも正直に書いておきます。
評価軸で見る5点中3点の内訳
3点という数字は平均点ではなく、本物度の高さを構成の弱さが相殺した結果です。
私が映画を採点するときの4つの軸で、本作を分解すると次のようになります。
| 評価軸 | 採点 | 理由 |
|---|---|---|
| アクションの本物度 | 5/5 | 断崖バイクダイブと列車。CGでは出せない重さがある |
| オチの完成度 | 2/5 | 前後編の前半ゆえ、1本の映画として着地しない |
| もう一度観たいか | 3/5 | 大型アクション2つは再見したい。中盤の駆け引きは腰が重い |
| ご都合主義の許容度 | 3/5 | 姿のない敵という設定が、多少の飛躍を飲み込ませる |
本物度だけなら満点ですが、オチの完成度が2点に沈むぶん、総合では3点に落ち着きました。
こんな人に向く・向かない
観るかどうか迷っているなら、「1本で完結する映画を求めているか」で決めるのが一番早いです。
| 向く人 | 向かない人 |
|---|---|
| 大画面で本物のスタントを体感したい人 | 1本で物語が完結する映画を求める人 |
| AIや情報操作の脅威を扱う物語に関心がある人 | 2時間以内でテンポよく終わる作品が好みの人 |
| シリーズを追ってきて人物関係の積み重ねを味わえる人 | 駆け引きを追うより単純明快な勧善懲悪を観たい人 |
シリーズ初見でも、鍵をめぐる設定は本作の中で説明されるので筋は追えます。
ただ、チームの信頼関係は前作までの積み重ねがあるぶん、過去作を1本でも観てからのほうが味わいは深まります。
⚠ ここからネタバレを含みます
未鑑賞の方はご注意ください。これ以降は物語の展開に触れて感想・考察を書いています。
印象的だったシーン
最も印象に残ったのは、やはり断崖からのバイクダイブです。
助走をつけて崖を飛び出し、パラシュートを開いて渓谷へ滑り込む一連の流れを、カット割りを細かく刻まずに見せています。
だからこそ、CGで盛った映像には出せない「重さ」が画面に宿っていました。
崖を離れた直後、バイクと身体が別々の軌道を描いて落ちていく数秒は、本物の重力がそのまま映っている時間です。
落下の速度感よりも、飛ぶ直前の静けさが効いています。エンジン音だけが響く数秒の「間」が、恐怖と決意の両方を伝えてくる名場面でした。
列車でのアクションも見応えがありました。
狭い車両内の格闘と、車両ごと切り離されていく列車という物理的な制約を使った脱出劇は、編集のテンポが終盤にかけて明確に速くなります。
観客の呼吸を意図的に浅くさせる作りで、姿のないAIという抽象的な脅威を描いた前半との対比が鮮やかです。
後半は「目の前の物理的な危険」に主軸が移ることで、映画全体に緩急がついていた点も評価したいところです。
キャラクターについて
イーサン・ハントを演じるトム・クルーズは、シリーズを重ねてなお「自分の身体で嘘をつかない」演技を貫いています。
それがそのまま、AIという「嘘をつく敵」との対比になっていました。
グレースは、イーサンにとって味方か敵か判然としないまま物語に関わり続ける存在です。この「誰を信じればいいか分からない」感覚を体現するキャラクターでした。
イルサ・ファウストは今回もイーサンと複雑な信頼関係を築く役どころで、ベンジーとルーサーの二人は変わらずチームの精神的な支柱として機能しています。
エンティティという敵の性質上、今回は敵味方の境界が人間キャラクターの間でも常に揺らいでいます。その落ち着かなさが物語全体の緊張感を底上げしていました。
良かった点・気になった点
良かった点は、AI「エンティティ」という敵の設定が単なる目新しさではなく、脚本全体の緊張構造(誰も信じられない)としてきちんと機能していたことです。
そして断崖バイクダイブと列車アクションという性質の異なる二つの大型アクションが、「静と動」「開放と密閉」という対照的な見せ方で配置されていたことです。
気になった点は、まずシンプルに163分という長さです。
鍵をめぐる関係者の思惑を丁寧に描こうとするあまり、中盤のテンポが落ちる場面があり、集中力を保ち続けるのはやや大変でした。
もう一つは、本作が「PART ONE」であることに起因する構成です。物語は明確な解決を見せないまま、次作へ続く形で幕を閉じます。
前後編構成そのものを否定するつもりはありません。ただ、1本の映画として観たときの満足度では、綺麗に着地しきらない宙ぶらりんな読後感が残ったのも事実です。
オチの強さで評価が動くタイプの観客ほど、ここで評価を下げたくなる気持ちはよく分かります。
総評・一言まとめ
総合すると、AI「エンティティ」という姿のない敵の現代性と、CGに頼らない本物のスタントが生む説得力、この二つは間違いなく本作の武器です。
一方で163分の長尺と、PART ONEゆえに物語が完結しない構成は、観る人によって評価が分かれるポイントになるでしょう。
派手なアクションと骨太な主題を評価しつつも、「続く」を前提にした構成を積極的に楽しめるかどうかで満足度が変わる一本だと感じ、評価は5点中3点としました。
キャスト情報

監督:
クリストファー・マッカリー
出演者
- トム・クルーズ(イーサン・ハント役)
- ヘイリー・アトウェル(グレース役)
- レベッカ・ファーガソン(イルサ・ファウスト役)
- サイモン・ペッグ(ベンジー役)
- ヴィング・レイムス(ルーサー役)
今回の顔ぶれは、イーサンを中心にグレース・イルサ・ベンジー・ルーサーという布陣です。
姿のない敵を相手にする物語だからこそ、それぞれが専門分野で支え合う人間同士の信頼関係を丁寧に描くキャスティングの厚みが効いていました。
まとめ

『ミッション:インポッシブル デッドレコニング』は、AI「エンティティ」という姿のない敵の現代性と、体を張った本物のスタントの説得力で魅せてくる一本です。
163分の長尺と、PART ONEゆえに物語が明確な結末を見せないまま次作へ続く構成は好みが分かれるところで、総合評価は5点中3点としました。
それでもシリーズを追ってきたファンはもちろん、「AIに何をどこまで信じていいのか」という主題に引っかかる方には、劇場のスクリーンで体験する価値がある作品だと思います。
この記事のまとめ
- ✓ AI「エンティティ」という姿のない敵が、誰も信じられない緊張感を生んでいる
- ✓ 断崖バイクダイブと列車アクションは、CGに頼らない説得力が本作最大の武器
- ✓ 163分の長尺とPART ONEゆえの「続く」構成は好みが分かれ、評価は5点中3点
配信で観るなら: 人気の映画・ドラマ・アニメが見放題【Amazonプライム・ビデオ】
よくある質問
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング』の見どころは?
断崖からのバイクダイブが最大の見どころです。カット割りを細かく刻まず臨場感を保つ撮り方で、CGだけでは出せない説得力を生んでいます。
上映時間はどのくらい?長すぎると感じる?
上映時間は163分です。体を張ったアクションは期待を裏切りませんが、鍵をめぐる思惑が絡む筋立ての複雑さもあり、集中力を試される作品だと感じました。
敵のAI「エンティティ」とはどんな存在?
AI「エンティティ」は姿のない敵として描かれ、誰も信じられないという脚本全体の緊張構造を作り出す存在です。この点が本作の現代性を象徴しています。
※本記事は作品の批評・考察を目的とした個人の感想です。あらすじの詳細な再現や結末の解説は行っていません。引用は論評に必要な最小限にとどめています。作品名・登場人物名・画像等の権利はすべて各権利者に帰属します。
