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あいちゃんこの映画って観る価値あるのかしら?

斬新な試みもありましたが、ストーリーに深みが足りず、物足りない仕上がりでした。
「ジブリなのにCGなの?」と、配信のサムネイル画面で再生を迷っている人も多いはずです。
83分を使う価値があるのか、観る前に見当をつけておきたいところです。
この記事を読めば、本作のどこが新しくて、どこが物足りないのかが観る前に分かります。
前半は作品情報と鑑賞前に読める感想、後半は鑑賞後の考察という2部構成にしました。
評価は実際に鑑賞した私の率直な感想で、5点中2点とした理由も評価軸ごとに書いています。
鑑賞後の考察は見出しと注意書きで区切っているので、未鑑賞の方も安心して読み進めてください。
今回の記事の内容
- TV放送版と劇場版の違い、ジブリ初のフル3DCG挑戦を紹介
- 監督宮崎吾朗と原作、キャスト声優陣を解説
- マンドレークの過去などネタバレ考察と評価5点中2点
映画の情報

| 映画名(日本語) | 劇場版 アーヤと魔女 |
| 映画名(英語) | Earwig and the Witch |
| 上映時間 | 83分 |
| ジャンル | アニメーション、ファンタジー |
| NHK総合放送日 | 2020年12月30日 |
| 劇場公開日 | 2021年8月27日 |
| 監督 | 宮崎吾朗 |
| 企画 | 宮崎駿 |
| 製作国 | 日本 |
| 評価 | 5点中2点 |
本作はもともと2020年12月30日にNHK総合でテレビ放送された作品です。
そこに新作カットを追加したうえで、2021年8月27日に劇場公開された経緯があります。
テレビ放送版と劇場版の違いも、本作を語るうえで押さえておきたいポイントです。
あらすじ
1990年代のイギリス。孤児院の前に置き去りにされていた少女アーヤは、心優しい先生たちに可愛がられながらも、里子に出されることを嫌がり、したたかな知恵で居心地の良い生活を守っていました。ところがある日、素性の知れない女性ベラ・ヤーガに引き取られることになり、魔女の家での奇妙な暮らしが始まります。
原作はダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名小説です。
児童文学らしい軽妙さと、魔女の家という閉じた空間での駆け引きが物語の軸になっています。
鑑賞前の段階で言えるのは、アーヤが単なる「か弱い主人公」ではなく、大人を手玉に取るしたたかさで状況を切り開いていくタイプのヒロインだという点です。
キャスト・声優

声優(役名)は次のとおりです。
| 役名 | 声優 |
| アーヤ | 平澤宏々路 |
| ベラ・ヤーガ | 寺島しのぶ |
| マンドレーク | 豊川悦司 |
| トーマス | 濱田岳 |
アーヤ役の平澤宏々路さんにとって、本作は声優として大きな挑戦の場となりました。
一方で、ベラ・ヤーガ役の寺島しのぶさんとマンドレーク役の豊川悦司さんは、実写でも存在感のある演技をしてきたベテランです。
特にマンドレーク役の豊川悦司さんは、劇中でほとんど台詞らしい台詞を発しません。
それでも低い唸り声と間の取り方だけで「得体の知れない同居人」という空気を作り出していて、声だけの芝居でここまで存在感を出せるのかと驚かされました。
監督
宮崎吾朗。『ゲド戦記』『コクリコ坂から』に続く長編三作目にあたり、企画には父である宮崎駿が名を連ねています。
これまでの手描き路線から離れてフル3DCGに踏み切った判断も、新しい表現に向き合い続けるこの監督らしい選択だと感じます。
脚本
丹羽圭子、柿本幸一
原作
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「アーヤと魔女」
ネタバレなし感想

全体の雰囲気・テイスト
画面全体の質感は、これまでのジブリ作品が持っていた手描きの温かみとは明確に違います。
人物の輪郭や光の当たり方にはCGらしい硬さが残っています。
魔女の家の薄暗い台所や雑然とした地下室といった生活感のある空間も、どこか人形劇のような手触りで描かれています。
物語自体はコメディの軽さとダークな雰囲気が同居していて、1時間半弱の尺の中でテンポよく進んでいく印象です。
見どころ・おすすめポイント
見どころとしてまず挙げたいのは、スタジオジブリが初めて挑んだフル3DCGという制作手法そのものです。
キャラクターの陰影やカメラの寄り引きは、3DCGならではの均一な質感になっています。
例えば台所でベラ・ヤーガが呪文を唱えるシーンでは、鍋から立ち上る湯気やガラス瓶に反射する光の描き方が、これまでの手描きジブリ作品にはない質感です。
新しい技術に手探りで挑む作り手の姿勢は、住み慣れない魔女の家で手探りに生き延びようとするアーヤ自身の物語と重なって見えるところがあります。
そう考えると、本作の危なっかしさもひとつの狙いだったのかもしれない、と個人的には感じました。
もう一つの見どころは音響面で、劇中にはロック調の劇伴が随所に使われていて、静かな会話劇のシーンとのメリハリを作っています。
■ ここがポイント
フル3DCGへの挑戦そのものは評価したいところです。ジブリがこれまで培ってきた手描きの魅力とは別の道を選んだ勇気は買いたいですし、この路線をさらに磨いていってほしいというのが正直な気持ちです。
手描きのジブリ作品と何が違うのか
手描きとの一番の違いは、表情と動きの「情報量」の出し方にあると私は見ています。
手描きのジブリ作品は、線の揺らぎや省略で感情のニュアンスをにじませる作りでした。
対して本作の3DCGは、顔の造形があらかじめ決まっているぶん、アーヤの企み顔のようなはっきりした表情は映える一方、微妙な感情の揺れは硬く見えます。
つまり本作は、魅力の軸を「絵の味わい」から「空間の実在感」へ移そうとした作品で、どちらの軸で観るかで評価が変わります。
テレビ放送版と劇場版のどちらを観るか
これから初めて観るなら、新作カットが加わった劇場版を選べば迷いません。
追加カットの内容や分数は、公式サイトで最新情報を確認してください。
評価軸で見る本作の強みと弱み
私の評価軸では、オチの完成度ともう一度観たいかの2つが△で、これが5点中2点の主な理由です。
| 評価軸 | 判定 | 短評 |
|---|---|---|
| 映像の新しさ | ◎ | 硬さも含めて一見の価値あり |
| 声の芝居 | ○ | 豊川悦司さんの唸り声と寺島しのぶさんの緩急が支える |
| オチの完成度 | △ | 開かれた終わり方で、着地の満足感が薄い |
| もう一度観たいか | △ | 質感の確認なら再見の価値あり。物語目当てでは弱い |
こんな人におすすめ/おすすめしない人
本作が向くのは、物語の着地よりも「ジブリの新しい試み」を見届けたい人です。
- ジブリの新しい実験に興味がある人
- 魔女と少女の駆け引きを描いた軽めのファンタジーを気軽に観たい人
一方で、次のような人には物足りなさが残ると思います。
- 重厚な手描きの世界観を期待している人
- 涙腺を刺激するような感動的なクライマックスを求める人
- 伏線がすべて回収される「完結の快感」を重視する人
評価
評価は5点中2点としました。
3DCGへの挑戦という意欲は買えるものの、ストーリー全体としての満足度はジブリ作品の中では控えめだったというのが率直な感想です。
ネタバレあり感想
⚠ 注意
ここからネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
印象的だったシーン
私が一番印象に残ったのは、無口な同居人マンドレークの過去が少しずつ見えてくる場面の作り方です。
唸り声と目つきだけで威圧感を出していた彼に、音楽と関わる別の顔があったらしいと分かってくる構成が効いています。
前半の無口さが、後半の見え方を変える伏線として効いていました。
アーヤを産んだ実の母親についても、魔女の世界と関わりがあったことがほのめかされます。
アーヤ自身のルーツが少しずつ見えてくる構成は、本作らしい仕掛けだと感じました。
キャラクターについて
主人公アーヤは、か弱く助けを待つタイプのヒロインではありません。
大人を観察して弱点を見抜き、交渉材料に変えていくしたたかさを持ったキャラクターです。
孤児院の先生たちを手玉に取っていた描写がそのまま、魔女の家でベラ・ヤーガやマンドレークを相手にした駆け引きにも引き継がれています。
環境が変わっても「したたかに生き抜く」という一本の軸がぶれない点は、この主人公の魅力だと思います。
一方でベラ・ヤーガは、口では厳しいことを言いながらもどこか間の抜けた仕草を見せる場面があり、寺島しのぶさんの声の演技がその緩急を支えています。
良かった点・気になった点
良かった点は、アーヤが一方的にいじめられる展開にならず、知恵を使って状況を対等に近づけていく過程がテンポよく描かれていたことです。
気になった点は、マンドレークの過去や実母との関係といった核心部分が明かされ始めたところで物語が終わってしまうことです。
続きを匂わせるような開かれた終わり方になっていて、原作ファンから「もっと深く描いてほしかった」という声が上がったのも理解できます。
実際に本作の興行収入は約3億円と、ジブリ作品の中では小規模な数字にとどまりました。
現時点で続編制作の発表はなく、この投げ出されたような余韻が本作の評価を分けている一番の理由だと私は考えています。
開かれた終わり方をどう受け止めるか
この終わり方は、「関係の変化」を主題として観るか、「謎の解明」を主題として観るかで評価が正反対になります。
関係の変化として観れば、アーヤが魔女の家で自分の居場所を作った時点で、物語の目的はいったん果たされています。
謎の解明として観れば、マンドレークの過去も実母の事情も入口を見せただけで、肝心の中身が手つかずのまま残ります。
私は後者の不満のほうが大きく、「謎を提示する時間」に比べて「謎に向き合う時間」が短すぎたと感じました。
【考察】続編やシリーズ化を見据えて意図的に残した余韻ではないかと見ていますが、単体の映画としての減点理由は変わりません。
総評・一言まとめ
総評として、新しい技術への挑戦は買いたいけれど物語としての着地は物足りなかった、というのが私の偽らざる感想です。
フル3DCGという路線自体は、今後さらに磨きをかけていけば十分に武器になり得ると思います。
この先の続編なり新作なりで頑張ってほしいというのが本音です。
まとめ

『劇場版アーヤと魔女』は、スタジオジブリが新しい表現に踏み出した挑戦作です。
ストーリーの着地には物足りなさが残るものの、魔女の家でしたたかに生きるアーヤの姿や、豊川悦司さんの怪演によるマンドレークの存在感は、他のジブリ作品にはない味わいがあります。
まずは雰囲気だけでも確かめてみて、気に入ったら最後まで見届けてみてください。
この記事のまとめ
- ✓ ジブリ初のフル3DCGという挑戦作で、手描き作品とは質感が大きく異なる
- ✓ アーヤの「したたかに生き抜く」姿勢が終始一貫した魅力
- ✓ 評価は5点中2点。開かれた終わり方の物足りなさが減点理由
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よくある質問
「劇場版 アーヤと魔女」はジブリ初のCG映画ですか?
はい、スタジオジブリが初めて挑んだフル3DCGアニメーションです。もとは2020年にテレビ放送された作品に新作カットを加え、2021年に劇場公開されました。
「アーヤと魔女」はどんな評価ですか?
評価は5点中2点です。3DCGへの挑戦という意欲は買えるものの、ストーリー全体としての満足度はジブリ作品の中では控えめだったためです。
マンドレークの正体はどう明かされますか?
無口な同居人マンドレークの過去が終盤で少しずつ明かされます。詳しい内容は本文のネタバレパートでネタバレ警告付きに解説しています。
※本記事は作品の批評・考察を目的とした個人の感想です。あらすじの詳細な再現や結末の解説は行っていません。引用は論評に必要な最小限にとどめています。作品名・登場人物名・画像等の権利はすべて各権利者に帰属します。