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「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」は、2002年にアメリカで公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督のクライム・エンターテインメント映画です(日本公開は2003年3月21日、上映時間140分)。16歳から21歳までのわずか5年間で数百万ドル分もの小切手を偽造し、パイロットや医師、弁護士になりすまして世界中を渡り歩いた実在の天才詐欺師フランク・W・アバグネイル・Jrの半生を、レオナルド・ディカプリオが体当たりで演じています。
本作にも出演するトム・ハンクスが極限状況でのサバイバルを演じた作品としては『キャスト・アウェイ』も外せません。『キャスト・アウェイ』のレビュー記事もあわせてご覧ください。
先に結論から言ってしまうと、僕の評価は5点中5点です。ここからはまずネタバレなしの感想を書いていて、後半の「⚠️ ここからネタバレ」という見出し以降で結末まで踏み込んだ考察をしています。まだ観ていない人はネタバレなしのパートだけ読んで、観終わったあとにまた戻ってきてもらえると嬉しいです。
感想
実話とは思えないほどテンポよく進む痛快な逃亡劇でありながら、観終わったあとにじんわりと切なさが残る、不思議な後味を持つ映画です。

友達に「面白い映画ない?」て聞かれたらまずはこの作品をおすすめしますね。
なぜなら、たぶんそんなにメジャーではないですよね。たぶん。
だからまだ見たことがない人が多いのかなって。
でも見たら面白いので、おすすめする映画としての条件を満たしていますよね。
監督は「シンドラーのリスト」や「ジュラシック・パーク」のようなシリアスな大作からエンタメ大作まで撮り分けるスティーヴン・スピルバーグ。本作はスピルバーグにしては珍しく、犯罪を扱っていながら終始明るいテンポで押し切る娯楽作に仕上がっていて、そのバランス感覚がまず見事だなと思いました。
主人公のフランクを演じているレオ様がもうかっこよすぎます。
相手と話しているときにまっすぐ目を見ているのがかっこよすぎるんですよね。
あんな立ち振る舞いをしたいもんですね。
職業も見た目も次々に変えていくフランクを、ディカプリオは表情や姿勢の作り方だけで説得力を持たせていて、パイロットの制服を着た瞬間、医師の白衣を着た瞬間にそれぞれ別人のように見えてくるのがすごいところです。
そしてフランクを追うFBI捜査官のトムハンクスの演技も最高でした。
普段は正義感の強いヒーロー役が多いトム・ハンクスですが、本作では堅物で不器用な中年捜査官という、いい意味で華のない役どころ。ジョン・ウィリアムズの軽快でジャジーな劇伴もあって、シリアスになりすぎない絶妙な空気を作っているのも印象的でした。
フランクはティーンエイジャーのときに父親が破産した姿を目の当たりにしたから詐欺をするようになるんですよね。
最初は小切手の偽装から始まって、パイロットになりすますのが賢いですよね。
この序盤の設定だけでも、フランクの嘘が単なる悪知恵ではなく、崩れていく家族から目をそらすための逃避だったんだろうなというのが伝わってきて、痛快なだけの話で終わらない予感がしてきます。
■ ここがポイント
評価は5点中5点です。実話ならではの痛快な逃亡劇と、その裏にある少年の孤独が二重奏になっている点が満点の理由。両方を味わえるからこそ、観るたびに新しい発見がある映画だと思います。
まだ観ていない人におすすめしたいのは、犯罪映画特有の重苦しさが苦手な人、実話ベースの人間ドラマが好きな人、そして単純に「かっこいいディカプリオ」が観たい人です。逆に、勧善懲悪ですっきり終わる話を求めている人には、ちょっと肩透かしに感じる部分もあるかもしれません。
⚠️ ここからネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
ネタバレあり感想・考察
印象的だったシーン
この映画で一番好きなシーンは、逃亡を続けるフランクが毎年クリスマスの夜にハンラティ捜査官へ電話をかけるシーンです。追う者と追われる者のはずなのに、電話越しの会話はどこか気の置けない友人同士のようで、フランクにとってハンラティが唯一「素の自分」を話せる相手になっていくのが伝わってきます。
実在の人物をトム・ハンクスが演じた作品としては『ハドソン川の奇跡』もおすすめです。『ハドソン川の奇跡』のレビュー記事もどうぞ。
華やかな詐欺の手口や国境を越える逃亡劇の裏で、この電話のシーンだけがやけに静かでまっすぐな空気を持っていて、フランクの孤独がもっとも素直に表れる瞬間になっているのが印象的でした。
キャラクターについて
フランクとハンラティの関係が、この映画の一番の魅力だと思います。最初はただの追跡者と逃亡犯だったふたりが、何年にもわたる攻防の中で、いつの間にか奇妙な信頼関係を築いていく。家庭が崩壊し、居場所を失ったフランクにとって、しつこく追いかけ続けるハンラティが、皮肉にも一番自分を気にかけてくれる大人になっていくところに、この物語の切なさが凝縮されている気がします。
ハンラティ自身も、堅物で不器用ながら、フランクをただの犯罪者として扱わない情の深さを見せます。仕事に忠実な捜査官でありながら、少しずつフランクの事情を理解していく過程が丁寧に描かれていて、単純な善悪では割り切れない人間味のある関係になっているのが良いところです。
良かった点・気になった点
2週間の勉強で司法試験に受かっちゃうなんて凄すぎ
フランクはこれまで詐欺でお金を稼いできたのですが、一度だけ本気で勉強したのが司法試験でした。
こればっかりはどうやってだましたのかという種明かしはなく、本当に受かってしまったというのがもう凄すぎます。
まっとうに生きていたらとても優秀な弁護士になっていたかもしれませんね。
気になった点をあえて挙げるなら、数年間にわたる逃亡生活がテンポよくまとめられている分、フランクが各地で過ごした日々の具体的な描写はやや駆け足に感じる場面もあったところです。とはいえそれも、次から次へと展開していく痛快さの裏返しなので、大きな欠点というよりは味だと思っています。
総評・一言まとめ
オチが救われるから良い
この映画のオチとして、21歳で逮捕されてしまうのですが、その後はFBIの捜査に協力して格下の詐欺犯人を逮捕していきますが、結局FBIからは逃げます。
その後自分でビジネスを立ち上げて詐欺防止のための金融コンサルタントの会社を設立してまっとうに生きていけるようになったのでよかったなと思います。
この映画の面白さは、実話ベースの痛快さと、その裏にある少年の孤独という二重奏にあると思います。嘘を重ねて逃げ続けたフランクの原動力は、崩壊した家庭から目をそらすための孤独で、それを唯一分かち合えたのが、本来は敵であるはずのハンラティだったという構図が切ないです。毎年のクリスマスの電話が、そのふたりの奇妙な絆を象徴していて、最後にフランクがまっとうな道を歩き出せたのも、あの電話を重ねてきた時間があったからこそだと思うと、単なる詐欺師の武勇伝では終わらない余韻が残ります。
実話ならではの痛快さと、その奥にある切なさの両方を味わえる映画として、評価は5点中5点で確定です。
あらすじ
16歳から21歳までに大金を稼いだ天才詐欺師と言われた主人公フランク・W・アバグネイル・Jrをレオナルド・ディカプリオ、天才詐欺師を追うFBI捜査官をトム・ハンクスが演じる痛快かつ人間味にあふれたクライム・コメディ映画で実話がもとになっています。
音楽を手がけたのは、スピルバーグ作品でおなじみのジョン・ウィリアムズ。「ジョーズ」や「E.T.」のような壮大な劇伴とは違い、本作では軽快でどこかコミカルなジャズテイストの曲を多用していて、フランクの華やかな逃亡劇の空気にぴったりの音楽になっています。
映画情報
| 公開日 | 2003/3/21 |
| 公開国 | アメリカ |
この面白いキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンはU-NEXTで見ることができます。
配信で観るなら: 人気の映画・ドラマ・アニメが見放題【Amazonプライム・ビデオ】
まとめ
実話とは思えないほどの痛快な逃亡劇と、その裏にある少年の孤独が二重に楽しめる「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」。犯罪映画が苦手な人でも、エンタメとして純粋に楽しめる作りになっているので、まだ観たことがない人にはぜひ一度観てほしい一本です。
この記事のまとめ
- ✓ 評価は5点中5点。実話ベースの痛快さと少年の孤独が同居する二重奏が満点の理由
- ✓ フランクとハンラティ、追う者と追われる者の奇妙な絆がこの映画最大の魅力
- ✓ 毎年のクリスマスの電話のシーンが、ふたりの関係を象徴する名場面