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【映画レビュー】THE BATMAN|ネタバレなし・ありまとめ

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雨に打たれ続けるゴッサムシティの陰鬱な空気に、開始数分で引き込まれました。THE BATMAN-ザ・バットマン-は2022年公開、マット・リーヴス監督によるサスペンス色の強いアクション映画で、上映時間は約176分です。この記事ではTHE BATMANの感想をネタバレなしでまとめたあと、後半の「ネタバレあり感想」の章で結末まで踏み込んで語ります。未鑑賞の方は、まずネタバレなしの章だけ読んでみてください。

作品概要

THE BATMAN-ザ・バットマン-の公式ポスター画像

あらすじ

バットマンとして活動を始めて2年目のブルース・ウェインは、ゴッサム市長候補を狙った連続猟奇殺人に直面します。犯人リドラーは謎かけを残しながら市の闇を暴こうとし、バットマンは刑事のように手がかりを追いながら事件の全貌に迫っていきます。

キャスト・スタッフ

監督はマット・リーヴス。代表作に「クローバーフィールド」や「猿の惑星:新世紀」があり、スケールの大きなジャンル映画を情感豊かに撮る作家です。主演はロバート・パティンソン(ブルース・ウェイン/バットマン)。かつて「トワイライト」シリーズの甘い王子役で知られた俳優が、今回は寡黙で内省的なヒーロー役に大きく振れているのが印象的でした。セリーナ・カイル役にゾーイ・クラヴィッツ、リドラー役にポール・ダノ、ゴードン刑事役にジェフリー・ライト、ペンギン役にコリン・ファレル、ファルコーネ役にジョン・タトゥーロが名を連ねています。

ネタバレなし感想

THE BATMAN-ザ・バットマン-の印象的なシーンを表すスチール写真(ネタバレなし)

全体の雰囲気・テイスト

本作はヒーロー映画というより、雨と夜に沈むゴッサムを舞台にしたノワール刑事ドラマに近い体感です。派手なアクションよりも、暗がりの中で手がかりを拾い集めていく地道な捜査劇に時間が割かれていて、テンポはゆっくり。同じゴッサムを舞台にしたダークナイトとはまた違う湿った質感で、画面の隅々まで街の空気が肌にまとわりつくような没入感があります。

見どころ・おすすめポイント

見どころの一つは、マイケル・ジアッキーノが手がけた劇伴です。バットマンの登場シーンでは重い行進曲(マーチ)のような主題がじわじわと迫ってきて、キャラクターの重厚さを音だけで語ってしまう説得力があります。もう一つは映像設計で、雨粒や炎の照り返しを使った赤と緑のコントラストの強い照明が、ノワール映画のような陰影を生み出しています。中盤、バットマンが高層ビルの屋上から滑空して逃走する場面では、カメラが地上と屋上の高低差を大きく捉え、都市そのものの巨大さと落下の恐怖を同時に伝えてきました。

■ ここがポイント

劇伴と照明という「音と光」の演出で恐怖と重厚感を伝えるスタイルは、爆発や格闘の物量に頼らないぶん、静かな緊張感が最後まで持続します。

こんな人におすすめ/おすすめしない人

じっくり腰を据えて謎解きを追う刑事ドラマが好きな人、暗く湿った映像美に浸りたい人にはうってつけです。逆に、テンポの良いアクションを求めている人や、上映時間の長さが気になる人には少し忍耐が必要かもしれません。ヒーロー映画の原点を描いたバットマンビギンズのような疾走感を期待すると、テンポの違いに戸惑う可能性があります。

評価

評価は5点満点中4点です。じっくり派の刑事ドラマとして高く評価できる一方、誰にでも手放しでおすすめできるテンポではないため、満点の一歩手前としました。

ネタバレあり感想

THE BATMAN-ザ・バットマン-のクライマックスシーンを想起させる画像(ネタバレ注意)

⚠️ ここからネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。

印象的だったシーン

印象的だったのは、リドラーが残す暗号をバットマンとゴードン刑事が一つずつ解いていく脚本の構成です。暗号が事件の真相と市長選の裏側を同時にあぶり出す仕掛けになっていて、正直に言うと、字幕を目で追いながら考える間もなく次の暗号が出てくるテンポには、かなり置いていかれました。答え合わせのように後から意味が分かる場面も多く、じっくり考えたい人には向いていますが、私は解けた実感を得られないまま話が進んでしまった箇所がいくつもありました。それでも、暗号を解くたびに事件の輪郭が変わっていく構成そのものは巧みだと思います。

序盤、バットマンが超高層ビルの屋上から滑空用のマントで飛び降りるシーンも強く印象に残りました。物理的にあれで無事に着地できるのかと突っ込みたくなる無茶な描写ではありますが、そのくらい思い切った身体を張った演出だからこそ、キャラクターの覚悟が伝わってきます。

キャラクターについて

セリーナ・カイル(キャットウーマン)は、物語の中盤でカーマイン・ファルコーネの隠し子であったことが明かされます。裏社会の大物の血を引きながらも正義の側で戦おうとする彼女の葛藤は、バットマンの孤独な正義感と鏡合わせになっていて、この映画の人間ドラマ部分を支えています。リドラーもまた、孤児院育ちで政治的な腐敗に復讐する動機を抱えたキャラクターとして描かれ、単純な悪役では終わらない厚みがありました。

良かった点・気になった点

良かった点は、街全体が一つの生き物のように重く沈んだ空気をまとっている作り込みと、劇伴・照明による静かな緊張感です。ジョーカーと同じく、犯罪都市ゴッサムの闇そのものを主役に据えた作りが好印象でした。気になった点は率直に2つあります。一つは、なぞなぞ(暗号)が難解すぎて、私はほとんど自力では解けませんでした。理解できればもっと面白いのだろうとは思いますが、置いていかれる感覚は否めません。もう一つは、防弾チョッキ一枚で銃弾を至近距離から浴び続けても平然としているバットマンの耐久力です。銃が効かない無敵ぶりはさすがにチートに見えてしまい、緊迫感が少し削がれる場面もありました。

総評・一言まとめ

総評として、謎解きの難しさや防弾チョッキの無敵ぶりには正直な引っかかりが残りますが、それでも街の空気と静かな緊張感だけで最後まで見せ切る力のある作品で、友人にも自信を持ってすすめられる4点の映画だと思います。

なぞなぞの難しさと防弾チョッキの無敵ぶりへの引っかかりを差し引いても、雨に沈むゴッサムの空気だけで最後まで見せ切る力のある作品だと感じました。

まとめ

THE BATMAN-ザ・バットマン-の感想まとめ

THE BATMANは、なぞなぞの難解さや荒唐無稽なアクションに正直な戸惑いを覚えながらも、雨に沈むゴッサムシティの空気に最後まで引き込まれ続けた作品でした。刑事ドラマ好きの方にも、バットマンの新しい一面を見たい方にも、自信を持っておすすめできる一本です。

もう一度見返して暗号のヒントを探したくなった方は、配信でじっくり見直すのもおすすめです。私も普段からこのサービスで映画を見返しています。人気の映画・ドラマ・アニメが見放題【Amazonプライム・ビデオ】

この記事のまとめ

  • 評価は5点満点中4点。友人にも自信を持ってすすめられる面白さ
  • ノワール刑事ドラマ寄りの脚本と、劇伴・照明による静かな緊張感が見どころ
  • なぞなぞの難解さと防弾チョッキの無敵ぶりには正直な引っかかりも残る

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