『シャイニング』の237号室に出てくるあの女性、最初は綺麗なのに急にボロボロの老婆に変わって本当にトラウマ級に怖いよね……。彼女って結局、誰なの?
あのシーンは映画史に残る恐怖演出だね。彼女には原作で「マッセイ夫人」という名前があって、実はとても悲しく、かつドロドロした背景があるんだ。詳しく解説するよ。
映画『シャイニング』において、最も観客を凍りつかせたシーンの一つが「237号室の浴槽から現れる女性」です。映画版では多くが謎に包まれていますが、設定を紐解くと以下のことが分かります。
- 亡霊の正体は「マッセイ夫人」という宿泊客
- 若さと美しさに執着した末の悲劇的な自殺
- ホテルの悪意がジャックの欲望を利用した演出
この記事では、彼女の正体と、あの衝撃的な豹変シーンの意味について深く掘り下げていきます。
237号室の亡霊「マッセイ夫人」の正体|悲劇的な最期と生前の姿
237号室(原作では217号室)に潜む老婆の正体は、かつてオーバールック・ホテルに宿泊したロレイン・マッセイ夫人です。
彼女は非常に裕福な未亡人でしたが、老いていく自分を受け入れられず、若い男を金でつなぎとめて滞在していました。しかしある夜、その恋人が彼女の車とクレジットカードを盗んで逃走。絶望した彼女は、浴槽で睡眠薬とお酒を大量に摂取し、自ら命を絶ちました。
遺体は発見されるまで数日間放置され、お湯の中で腐敗し、膨張した状態で発見されました。映画で彼女の肌がドロドロに剥がれ落ちているのは、この「水死体の腐敗」を忠実に再現しているからです。
なぜ美女から老婆へ?演出に込められたホテルの「甘い罠」
ジャックが部屋に踏み込んだとき、彼女はまず全裸の美しい若者の姿で現れます。これにはオーバールック・ホテルそのものの「悪意」が反映されています。
ホテルはジャックの「誘惑に弱い心」を理解しており、彼が最も望む幻影(性的魅力)を見せることで油断させました。ジャックが彼女を抱き寄せ、キスをした瞬間、幻影は解け、腐敗した老婆の姿が露呈します。
これは「美しさという仮面の裏に隠された、死と腐敗というホテルの本性」を象徴しています。ジャックがその腐敗を受け入れた(あるいは逃げられなくなった)ことは、彼が完全にホテルの狂気に取り込まれたことを示唆しているのです。
ダニーへの襲撃とジャックの孤立|237号室が引き起こした悲劇
マッセイ夫人の亡霊は、ジャックを狂わせるだけでなく、息子のダニーにも物理的な危害を加えました。劇中、ダニーが首を絞められたような痕を作って戻ってくるシーンがありますが、これは浴槽から起き上がってきたマッセイ夫人に襲われた痕です。
この事件がきっかけで、妻のウェンディは「ジャックが息子を虐待した」と強く確信してしまいます。家族の信頼関係が完全に崩壊し、ジャックが孤立したことで、ホテルの支配はより強固なものとなりました。237号室の亡霊は、トランス家族をバラバラにするための最悪のトリガーだったと言えます。
まとめ
映画『シャイニング』の237号室に現れる老婆は、生前の悲劇的な裏切りによって亡くなった「マッセイ夫人」の亡霊でした。彼女が美女から老婆へと姿を変える演出は、ジャックの心の隙を突き、彼を狂気の世界へ引きずり込むためのホテルの罠だったのです。
続編の『ドクター・スリープ』でも、この老婆はダニーのトラウマとして再び登場します。彼女の正体を知った上で改めて作品を観返すと、あのバスルームのシーンがより一層恐ろしく感じられるはずです。