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カメラワークがぶれぶれで観客を酔わせにきてるとしか思えないアクションシーン。
筋トレシーンあるが、やっぱりあんまりかっこよくないんだよな。
配信一覧で『モンキーマン』を見つけ、121分を預けていいのか再生ボタンの前で迷っていませんか。
結論から言うと、私の評価は5点中2点です。
主演と監督を兼ねたデヴ・パテルの熱量は本物ですが、揺れの強いカメラと重たい復讐劇が私には最後まで合いませんでした。
この記事を読めば、ご自分が「合う側」か「合わない側」かを鑑賞前に判断できます。
『モンキーマン』は、デヴ・パテルが監督デビューを果たした2024年公開、上映時間121分のアクション映画です。
猿神ハヌマーンの神話をもとにした物語で、そこから「モンキーマン」という題名が付いています。
正直なところ、この題名は少しダサいと感じました。
同じ猿でも、モンキー・D・ルフィという名前はセンスの塊で、尾田先生のすごさを改めて思い知らされます。
この記事はネタバレなしの感想と、鑑賞後の考察に分けています。考察パートに入る前には、改めてお知らせします。
今回の記事の内容
- デヴ・パテルが監督主演を務めた復讐アクションのあらすじ
- インドを舞台にした地下格闘技と復讐劇の見どころ・評価
- 猿神ハヌマーンの神話をモチーフ(元になった題材)にしたテーマと感想
映画の情報

| 映画名(日本語) | モンキーマン |
| 映画名(英語) | Monkey Man |
| 上映時間 | 121分 |
| ジャンル | アクション |
| 上映日 | 2024/8/23 |
| 作成国 | アメリカ |
| 点数 | 2点/5点中 |
📝 補足メモ
本作はデヴ・パテルにとって監督デビュー作にあたる。製作にはジョーダン・ピールが名を連ねており、当初はNetflixでの配信作品として制作が進められていたが、のちに劇場公開作品へと方針が変更された経緯がある。アメリカでは2024年4月5日、日本では同年8月23日に公開された。
あらすじ
幼い頃にすべてを奪われた青年キッドが、夜ごと開かれる闇のファイトクラブで猿の覆面をかぶり、殴られ役として日銭を稼いでいます。
その屈辱の日々の先に復讐を見据えている、というのが物語の入口です。
あらすじだけを読むと、使い古された復讐劇の王道パターンに見えるかもしれません。
実際に大枠はそのとおりで、そこにたどり着くまでの手触りが私に合わなかったことが、今回の評価の理由です。
ネタバレなし感想
全体の雰囲気・テイスト
全体の空気は、都市の裏側を舞台にした無骨な復讐劇で、ジョン・ウィックのトーンに近いです。
舞台はインドの都市で、地下格闘技の“殴られ屋”として生きる主人公キッドが、ゴリラの覆面をかぶって〈モンキーマン〉を名乗ります。
ただし、画作りの方向性はだいぶ違います。
手持ちカメラを揺らしながら被写体に肉薄する撮り方が多く、洗練された銃撃戦より、生々しい殴り合いの泥臭さを前に出しています。
似たジャンルとして比べられやすい2作の違いを、私の印象で整理すると次のとおりです。
| 観点 | ジョン・ウィック | モンキーマン |
|---|---|---|
| 戦いの質感 | 洗練された銃撃と体術 | 生々しい殴り合いと泥臭さ |
| カメラ | 動きを追いやすい落ち着いた画面 | 手持ちで揺れる接写が多い |
| 見やすさ | テンポよく整理されている | 位置関係を見失う場面がある |
| 向いている気分 | 爽快さを味わいたい日 | 熱量と重さを浴びたい日 |
見どころ・おすすめポイント
見どころは、なんといっても主演と監督を兼ねるデヴ・パテルの体当たりの熱量です。
地下格闘技で負け続ける屈辱の下積みから体を作り直していく過程には、俳優自身の本気の肉体改造が透けて見えます。
ボクシングや路上格闘を思わせる泥臭い打ち合いの多さも、この映画ならではの見どころです。
もう一つは、都市の裏側にある怪しげなナイトクラブのフロアを案内する場面です。
サイケデリックな照明と懐かしいクラブミュージックが重なり、作中でも独特のテンションを持った一幕になっています。
元ネタのハヌマーン神話を知っておくと見え方が変わる
鑑賞前に一つだけ押さえておくなら、猿神ハヌマーンの存在です。
ハヌマーンは、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』で知られる猿の姿をした神です。
主人公が猿の覆面をかぶる意味や、題名がわざわざ「モンキー」を名乗る理由は、この神話を知っているかどうかで受け取り方が変わります。
私は「元ネタを知っていると2倍楽しめる」作品を高く評価する立場です。
ただ本作は、元ネタを知っても楽しさの上乗せが小さかった、というのが正直な印象です。理由は後半の考察パートで書きます。
こんな人におすすめ/おすすめしない人
合うかどうかは、アクションに「熱量」を求めるか「見やすさ」を求めるかで、ほぼ決まります。
おすすめできる人
- 泥臭い格闘描写が好きな人
- 俳優が体を張った肉体改造に興味がある人
- インドを舞台にした復讐劇という題材に惹かれる人
おすすめしにくい人
- 手持ちカメラの揺れが強いアクションが苦手な人
- 『ジョン・ウィック』のように整理された洗練さを期待している人
- 復讐劇というジャンル自体に食傷気味の人
下のリストで2つ以上当てはまるなら、私と同じく合わない可能性が高いと思います。
- 揺れる画面を長く観ると疲れやすい
- アクションは位置関係が分かる見せ方が好き
- 2時間の映画には中盤の盛り上がりがほしい
評価
評価は5点中2点としました。
デヴ・パテルの熱意やアクションの手数は認めつつも、見やすさや物語の運び方の面で、私には合わない部分が目立ちました。
私が映画を観るときの評価軸に当てはめると、次のとおりです。
| 評価軸 | 判定 | ひとこと |
|---|---|---|
| 主演の熱量 | ◯ | 肉体改造と体当たりの芝居は本物 |
| オチ・結末の完成度 | △ | 王道に収まり、予想を超える驚きは薄い |
| 元ネタで倍楽しめるか | △ | 神話の仕掛けは読めるが、上乗せは小さい |
| アクションの見やすさ | × | 揺れで格闘の手数が伝わりにくい |
| もう一度観たいか | × | 揺れる画面をもう一度浴びる気力は湧かない |
詳しい理由は、ここから先の考察パートで書いていきます。
⚠️ ここからネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
感想

リベンジアクションはそろそろ飽きてきたな
私が一番引っかかったのは、復讐劇という型そのものへの既視感です。
怒りが殺しを呼び、また殺される連鎖は映画で繰り返し描かれてきた題材で、ジャンルとしての新鮮さはもう薄いと感じます。
本作の標的は、警察権力と宗教的な権威が結びついた構図に置かれています。
権力と信仰が手を組む悪という設定自体は嫌いではありません。ただ、そこへ向かう道のりが長く、正直なところ中だるみしました。
アクションも『ジョン・ウィック』ほどの格好よさがなく、眠くなる時間帯がありました。そろそろ、復讐以外の動機で走る主人公が観たいです。
天国のシーンは良かった
作中で一番良かったのは、怪しいフロアを天国と呼んで案内する場面です。
欲望が渦巻くダンスフロアに、サイケな照明と懐メロのクラブ音楽が重なり、ここだけはテンションが上がりました。
一方で、もっとインドらしさを観たかった私には、空間の作りが西洋のクラブの借り物に見えました。この場面のためだけに本作を選ぶ必要はないと思います。
残念なのは、作り込んだ空間でもカメラが暴れ、画面がどこを映しているのか分かりづらくなる瞬間が何度もあったことです。
揺れる手持ちカメラは、主人公の混乱や息苦しさを観客に共有させる狙いだと読めます。
ただ、狙いが分かることと観ていて気持ちよいことは別で、私には没入より疲労が勝ちました。
テーマは第3の性別
【考察】本作の主題は、男と女、生と死のように対立するものが一つの体に同居する「両義性」にあると私は読みました。
下敷きは猿神ハヌマーンの神話と、シヴァ神とパールヴァティ神が半分ずつ一体になった像、つまり男神と女神のハーフです。
男と女が同時に存在する図像は、生と死が表裏一体であることのメタファーだと読めます。
構成も、前半で挫折を重ね、寺院を境に神話の英雄像へ重なっていく二段構えになっています。
【考察】前半の自分を漂白して消し去り、一度死にかけて生まれ変わるという再生の型も重ねられているように見えました。偽名の付け方にも、同じ発想が込められているのかもしれません。
ただ、仕掛けが読み解けたところで「で?」という感想が残ったのも事実です。
仕掛けを成立させるために前半が説明過多になり、テンポを犠牲にしていて、素直に感情が乗り切りませんでした。
良かった点・気になった点
良かった点と気になった点を整理すると、次のとおりです。
良かった点
- デヴ・パテル本人の肉体を張った芝居
- 地下格闘技やナイトクラブなど、都市の裏側を作り込んだ美術・照明
- クラブの場面の色使いと音楽
気になった点
- 揺れが強すぎる手持ちカメラのアクション演出
- 格闘の手数の多さが、画面の揺れで十分に伝わらないこと
- 終始重い復讐劇で、神話を読み解く楽しさよりしんどさが勝つこと
総評・一言まとめ
総評として、監督デビュー作としての気合いとアクションの手数は認めます。
それでも、手持ちカメラの見づらさ、復讐というテーマの重さ、前半の中だるみが最後まで気になり、素直に楽しみきれませんでした。
世間の評判が悪くない作品だとしても、合わないものは合わない、というのが私の正直な感想です。評価は5点中2点としました。
キャスト

監督・脚本:デヴ・パテル
本作がデヴ・パテルにとって初の長編監督作です。
出演者情報は「俳優(役名)」の順番で記載しています。
デヴ・パテル(キッド(モンキーマン))
監督と主人公の両方を、デヴ・パテル本人が務めています。
製作にはジョーダン・ピールも参加しており、当初はNetflixでの配信を予定していた作品だったそうです。
俳優が出演している他の映画
- スラムドッグミリオネア
- ホテル・ムンバイ
- 奇蹟がくれた数式
まとめ

猿神ハヌマーンをモデルにした映画なので、ワンピースとのつながりがあるかと期待して観ましたが、収穫はありませんでした。
何も考えたくないときに、ぼーっと観るアクション映画としてならありだと思います。
『モンキーマン』は、デヴ・パテルの本気の熱量と、都市の裏側を描く美術・照明のセンスが確かに伝わってくる映画でした。
一方で、手持ちカメラの揺れ、復讐劇の重さ、前半のテンポの悪さが私にはネックになり、評価は5点中2点としました。
合わなかった部分も正直に書いたので、鑑賞するかどうかの判断材料にしていただけたらうれしいです。
この記事のまとめ
- ✓ デヴ・パテル監督デビュー作、2024年公開のインド舞台の復讐アクション(評価5点中2点)
- ✓ 見どころはデヴ・パテルの肉体を張った芝居と、ナイトクラブのシーンの照明・音楽
- ✓ 手持ちカメラの揺れの強さ、復讐劇としての重さ、前半のテンポの悪さが気になる人にはおすすめしにくい
よくある質問
「モンキーマン」はどんな映画ですか?
デヴ・パテルが監督と主演を兼ねた復讐アクションです。地下格闘技で殴られ役を務める青年が、猿の覆面をかぶって復讐に向かう物語です。
この映画の評価はどれくらいですか?
私の評価は5点中2点です。主演の熱意やアクションの手数は評価しつつ、揺れの強いカメラによる見づらさが合いませんでした。
猿神ハヌマーンとはどんな関係がありますか?
猿神ハヌマーンの神話や、シヴァ神とパールヴァティ神の像がモチーフとして使われています。本文では、このテーマに絡めた考察も書いています。
※本記事は作品の批評・考察を目的とした個人の感想です。あらすじの詳細な再現や結末の解説は行っていません。引用は論評に必要な最小限にとどめています。作品名・登場人物名・画像等の権利はすべて各権利者に帰属します。
