映画『シャイニング』を観たんだけど、あのクマの着ぐるみのシーンが怖すぎて意味がわからなかったよ……。あれって一体何だったの?
あのシーンは初見だとパニックになりますよね。実は原作小説を読むと、あの男の正体やホテルの恐ろしい過去がハッキリと描かれているんですよ。
スタンリー・キューブリック監督の傑作ホラー『シャイニング』。公開から数十年経った今でも、多くのファンがその謎について議論を続けています。今回の記事では、特に質問の多い以下の3つのポイントを深掘りして解説します。
- クマの着ぐるみの男とタキシードの男の正体
- なぜ237号室なのか?原作との設定変更の裏側
- エレベーターから溢れ出す大量の血が象徴するもの
この記事を読めば、映画の不気味なシーンに隠された「真の恐怖」が理解できるはずです。
クマの着ぐるみの男は何者?原作から紐解くホテルの「闇」

クライマックスでウェンディが目撃する、クマの着ぐるみを着た男がタキシードの男に奉仕しているようなシーン。映画では一切説明がありませんが、原作小説ではその背景が詳しく語られています。
実は、原作での着ぐるみはクマではなく「犬」でした。タキシードの男はかつてのホテルのオーナーである大富豪。そして着ぐるみの男は、彼に執着していた青年ロジャーです。オーナーは彼を「犬」として扱い、支配と服従の関係を楽しんでいました。
このシーンは、オーバールック・ホテルに染み付いた「性的退廃」や「権力による搾取」が亡霊として具現化したものです。キューブリック監督がなぜクマに変えたのかは諸説ありますが、よりシュールで理解不能な恐怖を演出したかったのではないかと言われています。
237号室と巨大迷路。映画版独自の設定に隠された驚きの理由

映画において最も不吉な場所として描かれる「237号室」。しかし、スティーヴン・キングの原作では「217号室」でした。この変更には、撮影場所となったホテルの現実的な事情が関係しています。
ロケ地となったティンバーライン・ロッジ側から、「実際に存在する217号室を呪われた部屋にすると宿泊客が怖がるので、存在しない番号にしてほしい」と要望があったのです。そこで、架空の237号室が誕生しました。
また、庭にある「巨大迷路」も映画オリジナルの設定です。原作では「動物の形をした植木(トピアリー)」が襲ってくる設定でしたが、当時の特撮技術ではチープに見える懸念があったため、キューブリックは「迷走するジャックの精神状態」を視覚化するために複雑な迷路を採用したのです。
エレベーターから溢れる血の意味。ホテルが隠し持つ暴力の歴史

予告編でも使われた、エレベーターの隙間から大量の血が噴き出すシーン。これは単なるショック演出ではなく、オーバールック・ホテルという土地が持つ「暴力の記憶」を象徴しています。
劇中のセリフにもある通り、このホテルはネイティブ・アメリカンの墓地の上に建てられました。あの血の奔流は、ホテルの建設時から積み重なってきた虐殺や抗争、そしてホテル内で繰り返されてきた惨劇の歴史そのものです。
ホテルがダニーやジャックを飲み込もうとする際、過去の「暴力のエネルギー」が物質化して現れたのが、あの血の海なのです。逃げ場のない閉鎖空間で、過去の罪が溢れ出してくる様子は、この映画のテーマを最も象徴していると言えるでしょう。
まとめ

映画『シャイニング』に散りばめられた謎は、単なる不気味な演出ではなく、原作の背景や制作上の意図が深く関わっています。クマの着ぐるみは過去の退廃を、237号室は現実への配慮を、そして血の海は積み重なった暴力を表現していました。
これらの背景を知った上でもう一度作品を観返すと、初見時とは違った恐怖や発見があるはずです。キューブリックが仕掛けた視覚的な罠を、ぜひじっくりと味わってみてください。