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『シャイニング』ジャックの「おこんばんは」の意味は?元ネタや翻訳の秘密を徹底解説

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あいちゃん
あいちゃん

映画『シャイニング』で、斧でドアを壊して顔を出すシーンの「おこんばんは」って、どうしてあんなに不気味なの?元の英語ではなんて言ってるの?

あのシーンは強烈ですよね。実は英語では「Here's Johnny!」と言っていて、当時のアメリカで知らない人はいない有名番組のフレーズなんですよ。なぜ「おこんばんは」になったのか、その深い理由を解説しますね!

えぞえ
えぞえ

スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の傑作ホラー『シャイニング』。中でも、狂気に満ちたジャックが扉の隙間から顔を出し「おこんばんは(Here's Johnny!)」と叫ぶシーンは、映画史上最も有名な場面の一つです。今回の記事では、以下のポイントを中心に解説します。

  • 「Here's Johnny!」の意外すぎる元ネタとは?
  • 日本版で「おこんばんは」と訳された驚きの理由
  • ジャック・ニコルソンが放った「アドリブ」の裏側

「おこんばんは」の元ネタは?伝説の番組『ザ・トゥナイト・ショー』

ジャックが叫ぶ「Here's Johnny!(さあ、ジョニーの登場です!)」というセリフには、当時のアメリカ文化が深く関わっています。これは、アメリカの伝説的な深夜トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』のオープニングで使われていた定番の紹介フレーズです。

司会者のジョニー・カーソンが登場する際、アナウンサーが威勢よくこのフレーズを叫ぶのがお決まりで、当時のアメリカ人にとってはお茶の間に楽しい時間の始まりを告げる「明るい合図」でした。

殺人鬼と化したジャックが、恐怖に怯える妻を「観客」に見立て、自分を「人気スター」のように演じて見せたこのギャップこそが、観客に震え上がるような狂気を感じさせたのです。

なぜ「おこんばんは」と訳されたのか?名翻訳に隠された意図

「Here's Johnny!」をそのまま「ジョニーの登場だぞ!」と直訳しても、アメリカのテレビ番組に馴染みがない当時の日本人には、その面白さや不気味さが伝わりません。そこで、翻訳者は日本独自の文化に置き換える工夫をしました。

当時、日本で誰もが知っている夜の定番挨拶といえば、ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』などで親しまれていた「おこんばんは」や、寄席・演芸での明るい挨拶でした。アメリカの「お決まりの挨拶」というニュアンスを、日本の「お決まりの挨拶」へ変換したのです。

「ふざけた挨拶をしながら命を狙ってくる」という狂気を再現するために、あえて少し滑稽で親しみのある言葉を選んだこの翻訳は、現在では映画史に残る名翻訳として語り継がれています。

衝撃の事実!「Here's Johnny!」は完全なアドリブだった

驚くべきことに、この伝説的なセリフは台本にはなく、主演のジャック・ニコルソンによる完全なアドリブでした。当時、イギリスに住んでいたキューブリック監督はアメリカのテレビ番組に疎く、撮影現場でジャックが何を言っているのか最初理解できなかったそうです。

危うくカットされるところでしたが、最終的に「狂気が際立って面白い」と判断され、採用されました。もし監督がそのままカットしていたら、私たちはこの名シーンを観ることができなかったかもしれません。

また、このシーンでジャックが壊したドアは、あまりにも彼が斧を扱うのが上手すぎた(元消防団ボランティアの経験があった)ため、用意された小道具ではすぐに粉砕されてしまいました。そのため、わざわざ本物の頑丈な木のドアを作り直して撮影に挑んだという、凄まじいこだわりも隠されています。

まとめ

『シャイニング』の「おこんばんは」というセリフは、単なる翻訳ミスではなく、アメリカの娯楽文化と日本の日常文化を巧みに結びつけた、計算され尽くした表現でした。ジャック・ニコルソンの圧倒的な演技とアドリブ、そしてそれを活かした翻訳の力が、今もなお私たちを惹きつけて止みません。

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