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※この記事は『ONE PIECE』本編の重要な展開に触れるネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
「虚(うつろ)の玉座」に座るイム様と、なぜか「悪魔」と呼ばれ迫害されてきたDの一族。今回は、ワンピースの世界に張り巡らされた「善悪の反転」というテーマを軸に、イム様の正体とDの一族の本当の姿を、原作で確定している事実をベースに考察していきます。
⚠️ この記事は、エッグヘッド編以降で判明した設定を踏まえた考察を含みます。原作を未読の方はご注意ください。
今回の記事の内容
- 世界を支配する「オセロ(リバーシ)」の概念とニカの役割
- 世界政府・五老星・Dの一族について原作で確定している事実
- イム様の正体が「月から来た存在」ではないかという仮説
- Dの一族が「本来の神」だったのではという考察
世界をひっくり返す「オセロ(リバーシ)」の法則
ワンピースという物語には、盤面を一気にひっくり返す「オセロ(リバーシ)」のメタファーが数多く散りばめられています。例えば、イム様の技名が「ドミ・リバーシ」であると仮定すると、それは「支配(ドミネーション)」と「反転(リバーシ)」を意味することになります。
この「ドミ・リバーシ」という仮の技名は、実際にエルバフ編の本編で「黒転支配(ドミ・リバーシ)」として登場し、巨人を悪魔の姿へ反転させて支配する技だと判明しました。本編登場後の答え合わせをまとめた記事では、この記事の「反転」仮説がどこまで的中していたかを検証しています。
オセロにおいて、黒い盤面を白に変えるには、白の駒で黒を挟み込む必要があります。現在、世界が「黒(世界政府の支配)」に染まっている中、太陽の神ニカとなった「白いルフィ」と、同じくニカ化した「白いボニー」という2人の存在は、まさに盤面を挟み込み、世界をひっくり返すための条件を満たしていると言えるでしょう。
考察の前提となる、原作で確定している事実
仮説の土台として、原作で確定している設定を整理しておきます。まず、世界の頂点に君臨するイム様は、五老星さえもひれ伏す「虚(うつろ)の玉座」に座る存在で、その存在自体が世界のほとんどの人間に伏せられています。表向きの最高権力者である五老星は、天竜人の中でも最高位の5人で構成されており、サターン聖やマーズ聖のように、それぞれが名前と一族を持つ人物として描かれています。
そして世界政府は、約800年前にジョイボーイを打ち破った20人の王によって創設された組織です。このとき19の王家がマリージョアへ移住しましたが、アラバスタ王国のネフェルタリ家だけはこれを拒否したことが分かっています。天竜人には治外法権が認められており、彼らが特別な存在として扱われてきた歴史がここにも表れています。
さらにベガパンクの説明によれば、いわゆる「空白の100年」の時代には古代兵器の力によって約200メートルもの海面上昇が起こり、当時の世界は一度海に沈んだとされています。海の底には、今も失われた時代の遺跡が眠っているのです。
そしてDの一族についても、大きな手がかりが判明しました。ネフェルタリ・D・リリィという「D」のミドルネームを持つ女王が、800年前に実在していたことが明らかになったのです。Dの一族の目的そのものはまだ確定していませんが、少なくとも一族が800年前の歴史と深く結びついていることは、もはや疑いようがありません。これらの確定事実を踏まえると、「イム様=悪魔」「Dの一族=神」というリバーシ仮説にも、単なる思いつき以上の裏付けが見えてきます。
イム様の正体:月より飛来した「悪魔」という仮説
世界政府の頂点に君臨し、五老星さえも従えるイム様は、そのシルエットや持ち物から「悪魔」を思わせる象徴として描かれています。三叉の槍を思わせる武器や背中の羽、悪魔的な尻尾を思わせる描写は、伝統的な悪魔のイメージと重なる部分が多いのが特徴です。
五老星の一人であるサターン聖やマーズ聖のように惑星の名を冠する人物が実在することや、天竜人が宇宙服を思わせる衣装を纏っていることは、彼らがこの星の外からやってきた存在なのではないかという想像をかき立てます。かつてエネルが目指した「月」との関連を指摘するファンも多く、イム様が本来この星の住人ではない「侵略者としての悪魔」である可能性は、考察の一つとして十分に成立すると私は考えています。ただし、月とイム様を直接結びつける描写は原作でまだ明確には描かれていません。あくまで五老星や天竜人の設定から導かれる仮説の一つとして捉えるのが誠実な姿勢だと思います。
「Dの一族」は悪魔ではなく「本当の神」だったのか
「D」の名を持つ者は神の天敵と呼ばれ、世界政府から敵視されてきました。しかし、この「神と悪魔」というレッテルそのものが、支配者側による情報操作である可能性はないでしょうか。ワンピースの世界ではこれまでも、英雄と信じられていた人物が実は悪であり、暴君と呼ばれた人物が実は民を守っていたというような「善悪の逆転」が繰り返し描かれてきました。
800年前、ジョイボーイを打ち破った20人の王が世界政府を創設し、「神」を自称する側に回ったという史実を踏まえると、敗れた側であるジョイボーイやDの一族に連なる者たちが「悪魔」の名を着せられていったという流れは、十分に筋が通ります。さらに、ネフェルタリ・D・リリィが800年前に実在した女王だったという事実は、Dの一族が単なる反逆者の血筋ではなく、かつて歴史の表舞台にいた一族だったことを示唆しています。つまり「D」こそが本来の「神」に近い存在であり、それを「悪魔」として塗り替えたのが、世界政府創設後の800年間だったのではないかと、私は考えています。
この説を補強する要素として、しばしば挙げられるのが「塩」です。ゾンビのような悪魔的存在の弱点が塩であるように、神の騎士団や天竜人が岩塩を珍重し、海から離れた高地に拠点を置いているのは、彼らが塩を苦手とする側であることの裏返しなのではないか、というのが私なりの見立てです。
別の可能性は?「イム様=人間説」という慎重な見方
もちろん、この「反転」仮説がすべてではありません。イム様について、悪魔的な演出はあくまで「圧倒的な恐怖の象徴」としての表現であり、正体自体は特殊な能力を持つ人間、あるいは古代兵器を操る一族の末裔に過ぎないのではないか、という慎重な見方も根強くあります。
実際、原作ではイム様が悪魔そのものであるとは一度も明言されておらず、五老星や天竜人の宇宙服的な衣装についても、単に権威を演出するための装束という解釈も可能です。Dの一族についても、「神の天敵」という呼び名が必ずしも「元は神だった」ことを意味するとは限らず、むしろ世界政府にとって都合の悪い真実を知る一族だから恐れられている、という読み方もできるでしょう。
どちらの解釈が正しいにせよ、Dの一族とイム様、そして世界政府の関係が800年前の歴史と密接に結びついていることは間違いなく、今後の展開でこの「レッテル」の真相が明かされる日を楽しみに待ちたいところです。
まとめ
ワンピースの物語の核心には、「悪魔が神の座を奪い、歴史を塗り替えたのではないか」という反転の構造があるように、私には感じられます。虚の玉座に座るイム様、800年前に世界政府を作った20人の王、そしてネフェルタリ・D・リリィという「D」の女王――これらの確定事実を重ね合わせるほど、Dの一族が本来の「神」であり、それを覆い隠すために「悪魔」というレッテルが貼られたのではないかという考察に、私は説得力を感じています。
偽りの神が支配する黒い世界を、ルフィたちが再びひっくり返す。この「オセロ(リバーシ)」の構造こそが、白ひげが遺した「世界がひっくり返る」という言葉の真意なのかもしれません。今後の展開で、イム様の正体とDの一族の真実がどのように明かされていくのか、引き続き注目していきたいと思います。
この記事のまとめ
- ✓ 悪魔が神の座を奪い歴史を塗り替えたという反転構造の考察
- ✓ Dの一族が本来の神だったのではという見方
- ✓ 白ひげの世界がひっくり返るという言葉との関連を考察